浅瀬にて、酔いどれて。

暮らしの小言です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

blue。

疫病は、相も変わらずに悪戯を続けている。 やる気をなくして、実家に帰る日はいつになるのか。 同調圧力で隠した口元。 繊維の裏で、舌を出してみたりした。 年の瀬らしく今年を振り返れば。 寒さに顔を顰めるまで、ずっと一人だった。 憂鬱とか、やるせな…

下か、鷹か、したたかか。

「戻れなくなるよ」 あの小説を読んだのは、いつのことだったか。 上質紙に綴られていた台詞が、今更になって頭の中で響いた。 齢を重ねれば重ねる程、「頭」というものは良くなるものだと思っていた。 どうやら、僕はそれにあてはまらないらしい。 隠す気の…

カフェ・ホリウッド/隙間。

いつか、あなたが。 猥雑な色恋に疲れたとき。 此処で、硝子を冷やして待っています。 相対した寒気。 曇り空に塩を撒いて、四股を踏み始めたこの頃。 相変わらず、指が痛い。 「指痛てぇ」と小言を綴ってから、一月程が経過した。当初に比べれば、大分良く…

pain。または、腫れ。

指が折れた。 病院には行ってないんですけど、十中八九。 折れたか、割れたか。何かが起きてる。 「痛てぇ!ぶつけた!うわ!痣だ!」 みたいな、素人の痛みのそれとは違う。 これはもう玄人の域。 痛みと腫れ、抱えた熱さは疫病のそれ。 看護師さん、陽性で…

ひとり。

ずっと、昔を思い返している。 ようやく、長袖が頭を過ぎる気温になったり、ならなかったりしてきた。 夏も、太陽も。 もう少しだらけてもいいのではないか。 こんなに頑張らなくてもいいのに。 もしかしたら、既にだらけていて。 夏の契約期間内に仕事が終…

十九の烏。

千鳥足の足首を掴まれた朝。 値段に似合わない安い焼酎を呑んでいた。 コミュニケート嫌いを盾に、酔いどれてシャロンを歌えば。 派手な服を纏った女子越しに、齢の肥えた男が泣いた。 紙巻きを咥えると、視界の左から腕が伸びてくる。 「慣れないから」と火…

誘い文句と、限界の果て。

先々週の末から、限界月間が始まった。 六月に手を振り切る迄、限界は続く予定だ。 先月末に、仕事を変える決意をした。 苛立ちや、鬱屈。 他の追随を許さない、呆れてしまうほどの飲酒量。 恐らく、それが原因の体調不良。 諸々と相談して、現在の仕事を辞…

推敲の半ば。

走行の目印に引かれた白線と、湿気た砂が混じった校庭のような。 そんな色の朝。 部屋に射す光は頼りなく、それでも。 急かさないような明るさは嫌いじゃない。 水が湯に育つのを待つ間、顔を洗って鏡を見る。 白目の端に、昨晩の酩酊の影がちらついた。 液…

blues in my living.

所用で呼び出された土地は、思い出と後悔が混ざるあそこに、とても近い場所だった。 今日の臍辺り。 文明の利器に頼って乗り換えを済ませ、改札に躓きながら地上へと顔を出した。 見覚えのある景色に、霧雨がかかっていた。 忠敬のそれよりも、数十倍大雑把…

このごろ。

三日に一度は頭に痛みを感じるのだけれど。 今朝のそれはとても酷かった。 頭を抱えながらロキソニンを探した。 焼酎に気の抜けた炭酸水を混ぜて、ロキソニンを腹に流し込んだ。 真っ先に思ったことが「これ、もう水割りじゃん」だったので、こんな頭ではそ…

ホリウッド。

窄めた肩が、もう遠い昔のことのように思える。 嫌がらせをする汗に、友人と出会った頃を思い出す。 丁度、袖を捲り始めた五月のことだった。 路上で喧嘩したり、マイクで殴られて歯が欠けたり、素面ではとても言えないことを言いあったり。 雨の日の新宿で…

paper moon

今日は「ダメな日」だった。 起き抜けから、いつもより身体が重かった。 普段から飲み過ぎているのに、昨晩は更に飲み過ぎた。 仕事も放り投げて、ぼーっと酒を飲んで過ごした。 うるさくない音楽を聴いていた。 ここ二、三ヵ月。 食欲がなくなってしまった…

にらめっこ/余白

「にらめっこ」 眠りについた商店街を起こしてしまわないように。 傘を寄せて、歌う代わりに煙を吐きながら歩いていた。 足音は、雨音に消されて。 傘の内側で、吐いた煙が雨宿りをしている。 この町が濡れたときの匂いを、僕は知らない。 爪先の果てで待つ…

死ぬか、晴れるか。

不眠も含んだ不調は相変わらずだ。 やりたいことと、やらなければいけないことを天秤にかけながら。 眠っているはずの夜を潰していた。 天気予報か、はたまた政治家のお話か。 不明瞭な意識で朝を迎えた。 曇り空の下、外に出かけなければいけなかったので。…

本当のことを話せば。

一睡もせずに、酒を飲み続けていたせいか。 開けっ放しの窓から忍び込む風に、梅雨前によく漂う匂いを感じたせいか。 珍しく太陽がやる気を出していたせいか。 はたまた、単に気のせいか。 今日は、とても気分が良い。 アジアの純真を口ずさむくらいには、気…

海も、実はキスも。

「寒いね」 なんて、ありきたりなことを友人にぼやいた。 返事はないまま、二月が終わった。 指を二本折り曲げて、春を待っている。 ドラム式の洗濯機が欲しい今日この頃。 防護服を着込んで酒を飲んでいる。 先日、思いも寄らない人から「バンドやりません…

X*

窓の外から、大好きな音が聞こえてきた。 濡れた路面の上で車輪が回る音。 眠れずに、天井を見上げ呆けている。 車輪の音を背景に、酔い続けている。 好きな夜だ。 久しぶりに、新宿の方に飲みに出たいな。 知らない酒場に行きたい気分だ。

バレンタイン・コーク

隣席の女性に声を掛けられて、痛い頭に酒を垂らしながら相槌を打っていた。 素性に関する質問をしていないので、彼女について分かることは髪が黒いということぐらいだ。 帰宅した現在。 彼女が、読点の代わりにジントニックを飲みながらしていた話の八割も覚…

冷やしトマトには、塩を振らないでほしい。

ゆっくりと階段を下りて、地獄へ向かうように。 日付を捲る度に体調が悪くなっていく。 うわぁ。 体重は、分かりやすく健康状態を教えてくれる。 ここ一週間で三キロ近く体重が落ちた。 うわぁ。 常飲しているものが酒なので、飲酒量はこれ以上増えないと思…

片目の赤。

「くそったれ!!!!!」 と、台詞に日本語字幕を付けて言いたくなる時がある。 此処はスラム。腰に隠した鉄屑に、鉛が四発。 鎖骨の下辺り、黒い肌の上で疼く傷跡は誰かの忘れ形見。 怒りで震えている携帯から、飼い主の高笑いが聞こえてくる。 耳障りなそ…

まじないとまばら。

「嫌な夢ばかりみる」 数日前にそう綴った。 嫌な夢というものは、目が覚めても頭に残ってしまうもので。 起き抜けに煙草を吸いながら、夢をなぞり返すことが日課になってきている。 以前、友人が夢日記なるものを書いていた。 それを聞いた別の友人が「夢を…

3EQE

最近は、毎晩嫌な夢をみる。 覆面の大男に追われたり、脇腹に刃物を突き立てられたり。 所謂、怖い夢ではないのだけれど。 友人や、恋人や。 もう会えない人達ばかりが出てくる。 「夢で逢えたら」 詩の上でよく見かける言葉。 目が覚める度に、もう会えない…

CRANKY

雨は、昼頃に雪になった。 「街を撫でてほしい」 昨夜、そう雪に願ったはずなのだが。 「撫でる」というには、些か力の加減が出来ていないようだった。 機嫌が悪そうな風に乗ったそれは、斜め上から勢いよく街にぶつかっていった。 窓から手を伸ばして触れて…

番傘に積もる。

「明日、雪降るってよ」 口調は定かではないが、ラジオからそんなような声が聞こえた。 気になって調べてみれば、確かに降雪の予報が出ていた。 思えば一月も半ばを過ぎて。 これがライブなら、全く頭に入らない土地いじりのトークが始まりそう頃だ。 年齢を…

CHARMY MAGICA

欠伸をしている間に、年が明けていた。 あけましておめでとうございます。 何通かの年賀状が郵便受けに投げ入れられていたこと以外、年始らしい出来事はなかった。 とくに、変わらない平日を繰り返している。 限った話ではなくて、いつだってそうなのだけれ…