pain。または、腫れ。
指が折れた。
病院には行ってないんですけど、十中八九。
折れたか、割れたか。何かが起きてる。
「痛てぇ!ぶつけた!うわ!痣だ!」
みたいな、素人の痛みのそれとは違う。
これはもう玄人の域。
痛みと腫れ、抱えた熱さは疫病のそれ。
看護師さん、陽性ですか?
そうですか。じゃあ、ウーロンハイください。
言わずもがな、酩酊の最中に息している訳ですが。
酒を飲む度に痛みが増すんですよね。
どうしようかと思いながら、酒を飲み。
小言を綴っては、ロキソニンを服用している。
今日は「指痛い」ってことしか書かないので。
僕の、左手の人差し指になったつもりで呼んでください。
それが嫌なら、酒飲んで歯を磨いて寝てください。
おやすみなさい。
1トン近くの鉄骨が、僕の人差し指にキスしてきた。
緊張してたのか、初めてだったのか。
まぁまぁな勢いで。強引に。
いきなり舌を入れるなってあれほど言ったのにな。
一瞬、指の感覚が消えて。
それは直ぐに「熱い」という感覚に変わった。
慌てて、指が繋がっているかどうかを確認したところ。
関節からだらだらと血が流れているだけだったので一安心。
けれど、安堵もつかの間。
第二〜第三関節の間がめちゃくちゃ痛い。
マジで痛い。
痛みのレベルがある程度上にいくと、「マジで痛い」しか出てこないんですよね。
気付きました。
人間が扱える強調表現の内、その頂きに座るのは「マジ」です。
患部は、時間と共に痛みと腫れを増していく。
動くには動くけど、痛いし。
ほぼ曲がらないし、痛いし。
ギター弾けないし、マジで痛い。
「病院行けよ」
と、あらゆる人間に言われるんですけれど。
行きません。嫌いです、医者。
医者と詐欺師とピエール中野はマジで嫌いなんです。
総じて性格悪いだろ、彼奴ら。
医者に患部を弄くり回されるくらいなら。
僕は、この痛みとともに酒に溺れます。
過去に三度、肺に穴があいて。
治療という建前で医者に遊ばれたんですけど。
肺の場合は、「放っておいたらなんかやばそう、臓器だし」という本能的なあれに負けてしまって。
奥歯を噛み締めながら保険証を提出した訳ですが。
今回の場合は、かなり迷いどころなんですよね。
骨だし。
我慢してたらなんとかなりそうじゃないですか?
骨だし。
「とりあえず、カルシウムのサプリを急いで買ってきた」
と、テーブルの向こうに座る女子に話したら。
普段、あまり笑わない子なのにめちゃくちゃ笑ってた。
可愛かった。
マジで痛いです。