海も、実はキスも。
「寒いね」
なんて、ありきたりなことを友人にぼやいた。
返事はないまま、二月が終わった。
指を二本折り曲げて、春を待っている。
ドラム式の洗濯機が欲しい今日この頃。
防護服を着込んで酒を飲んでいる。
先日、思いも寄らない人から「バンドやりませんか?」みたいな連絡が来た。
嬉しかった。
遠くない昔を思い返した。
郡山に、もう一度行くことはなかった。
色々と考えて、誘いを断った。
浅瀬へ、行こう。
くるぶしまでを濡らして。
少しずつ、沈んでいこう。
最近は、嫌になる情報ばかりが錯綜している。
疫病に便乗した、根の脆いアイデンティティの枕を飾って。
眠ろう。
ただ、ぼーっと。
ドラム式洗濯機を買って、ぐるぐるされてる様子をみながら酒を飲みたい。
優しい温かさで、好きな匂いをまとったタオルに顔をうずめて。
そんな、小さな幸せに殺されたい。
でも。
すげー、高いのね。あれ。