誘い文句と、限界の果て。
先々週の末から、限界月間が始まった。
六月に手を振り切る迄、限界は続く予定だ。
先月末に、仕事を変える決意をした。
苛立ちや、鬱屈。
他の追随を許さない、呆れてしまうほどの飲酒量。
恐らく、それが原因の体調不良。
諸々と相談して、現在の仕事を辞めることにした。
次の仕事はもう決めていたので。
思い立ったが吉日と、直ぐに新しい職場に連絡をした。
何もしていない期間を設けるのが嫌で。
現在の仕事を立つ為の後片付けと、新しい仕事の開始を同時進行することにした。
その為、現在の仕事をやり終える迄の一ヶ月近くの間。
身体に鞭を打ち続ける、地獄の限界月間を過ごすことになった。
先週、一週間。
吐瀉を繰り返しながら乗り切ったお陰で、今週に入ってからは、幾分かの余裕が出てきた。
みんなに一つ教えておくと。
人は三日間寝ていないと、睡魔というものを感じなくなる。
その代わり、原因不明の痙攣が起きる。
そして。一日に三、四回吐く。
言葉が出てこなくなったり、話の組み立てが出来なくなったとき。
それは、白昼、渋谷の赤信号。
閃輝暗点。危ない予兆。
睡眠って大事だよ。
覚えておこうね。
限界月間の内、超限界週間の最中。
久方振りに、誘い文句を綴ることに頭を悩ませていた。
思考の半ばは、こんな時なのにも関わらず。
仕事も手につかなかった。
いつかの十代の師走。
同じように頭を抱えていたことを思い出したりしていた。
夜を通り越しての熟考の末、口にした誘い文句は、あまりにもひねくれていて。
あとになって、少し恥ずかしさを覚えてしまった。
笑いを伴って、誘い文句に頷いて貰えたので。
最終的には、良かったのだけれど。
まだ、少し恥ずかしい。
些細な約束も、壮大な計画も。
それらの大半は、どれも半ば。
果たせないままでいる。
だから、今の名前でしているそれらは。
必ず、果たそうと思う。
じゃなきゃ、哀しいじゃんか。
遂行する迄。
ぶっ倒れないように、千鳥足で生き延びるから。
全員、僕の酩酊の道連れになれよ。
岐路は、案外に。
手を振って、その存在を示してくれている。
足下ばかり見ていると、出逢いにも岐路にも気付けないよ。
アカイ季節は、すごい速さで過ぎていく。
傘を棄てたら、嫌な夏が来る。
袖を捲って、汗を拭え。
そろそろ、酒でも煽りに行こうぜ。